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月刊きゅん最新号20245月号

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食こらむ 安達祐子の日々是好日~美味しいつぶやき

玉ねぎの苗の葉('19.5月号)

食こらむ安達祐子の日々是好日~美味しいつぶやき

玉ねぎの生産量日本一を誇る北見市ですが、今まで捨てていたものをおいしく食べようという試みが始まりました。この季節限定だけで、食べられる玉ねぎとは、写真の苗の葉です。小葱よりも柔らかくて、あさつきやハーブのチャイブのようです。オニオンリーフと名付けられ、料理例は、山ワサビの醤油和えで一品完成です。春にハウスで苗を生育し、畑へ植える時に、機械で行うため、苗を一定の長さに刈りそろえることにより移植制度が向上する。また、苗は切ってから植えると根のつきがよく、植えてから倒れる心配がない、20センチ程にそろえる生育がいいなどから、4月初旬に葉先を切り落とすということをしています。

美味しいことを知っている農家の方は、葉はおひたしにして食べることもあるようですが、カットしたこの部分大半はこのまま棄てられ、畑の堆肥となっていました。作業が忙しく、工程の一つで、これを商品にするという発想はなかったとの事。

4月のまだ山菜の出ていない時期の地域の野菜として育ててはどうかと、野菜ソムリエの吉川雅子さんの提案で、今年は森谷ファームでこれを商品化し、早速、温根湯の大江本家の朝食バイキングで使われました。名付けて森谷ファームのオニオンリーフ。癖がなく、シャキシャキした食感で、少し柔らかい甘みも感じます。生のままサラダやあえ物。餃子やハンバーグ、オムレツの具材としてもよく、料理のバリエーションも豊富。なんといってもこの時期だけ、この地域だけという付加価値が付きます。最近は季節の味となったむかごも、ヤマイモ種類の子供で畑に棄てていたもの。自然薯と同等の栄養価があり、もったいないと商品化になって本州のものが道内まで流通しています。

玉ねぎの苗の葉('19.5月号)

むかごを知ってから、むかごごはんにしたり、素揚げはビールのおつまみに欠かせません。農家さんは利益を生み、消費者は美味しいものを知る。オニオンリーフも今後はもっと注目されるのではと思います。

作業が忙しく対応が難しいので、畑の隅にご自由にどうぞということから始まるかもしれませんが、飲食店の方、積極的に取り入れてみては。今後、山菜もまだ出ない時期の季節の野菜として育てていきたいとの事です。ネギとはまた違う美味しさ。これぞ産地ならでは季節限定の味。畑に植えてしまうと収穫は終了になるので、4月の20日頃に終了しました。

ここまで読んで食べたい方、申し訳ありません。チャンスはまた来年ですが…オニオンリーフという新しい超レアな季節の美味しさの誕生です。


安達祐子

安達 祐子(あだち ゆうこ) プロフィール

タスクおふいす祐 代表。
北見出身、札幌在住フリーアナウンサー。STVラジオパーソナリティ。北海道フードマイスター。
北見観光大使、津別観光コンシェルジュ、 オホーツク観光大使として道東の情報発信 に奔走。UHBグルメリポーターとして取材した店は4,000軒以上。食と観光の講演も行う。好物はホルモン。

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