月刊きゅん|暮らしにきゅん生活情報誌

月刊きゅん最新号20244月号

月刊きゅん最新号

食こらむ 安達祐子の日々是好日~美味しいつぶやき

おでん('18.12月号)

食こらむ安達祐子の日々是好日~美味しいつぶやき

冬になると、おでんが食べたくなる。江戸時代は、おでんと燗酒が看板の屋台が流行ったそうだ。なるほど、おでん屋に足繁く通う人は現代もお酒好きが多い。家庭で食べるおでんは煮込みに近い、母の手抜き料理ともいわれたが、作るほうに勝手が良く手抜きでも、食べる方にはご馳走かも。

先日北見の実家で、おでんしかないけど…と出てきたおでんの大根が美味しくて驚いた。品種がおでん大根といい、煮込み専用品種。家庭菜園で採れたものだ。下ごしらえが容易で、味がしみやすく型崩れしにくい。農家の友達もそれは美味しいよと絶賛。

おでん('18.12月号)

人気の具材の王道の大根の進化に誘発され、自分でも久しぶりにおでんを作ってみた。写真がそれである。北、海道らしいのがタチとタコ入り、そしてちくわぶや牛筋など関西の具材も入れてみた。出汁はアゴ出汁に昆布出汁。SNSで拘りのおでんの具材を質問してみると、100を超える回答がきた。定番のものから、厚焼き玉子、シュウマイや餃子。ツブなど海鮮や油カスや餃子巻きといった本州の地方色のでたもの。じゃがいもや玉ねぎをまるごと入れますといったダイナミックなものは、北海道らしいかも。赤いウインナーも魚介だから美味しかったし、巾着にはモチやチーズも入れてみた。コンビニおでんが登場したのは1980年のこと。冬の季節商品が気がつけば通年商品になっている。おでん屋にふらり行く、思い立っておでんを作るというのはなかなか難易度が高いからかもしれない。函館では、昔、屋台のおでん屋さんがあった。お母さん一人でやっていて、柳小路の片隅で夕方には灯りがつき、煮た具材に生姜タレを合わせていくという独特のもの。酔った客の〆の店だったが泥酔客には厳しく豪快なお母さんだった。10年函館競馬の司会のときに通った思い出の店。

北見では、日本酒好きなママがやっているおでん屋がある。息子がイタリアンを勉強してお店を手伝う事になり。最近はイタリアンおでんの店としても人気だ。おでんの出汁はいろんな素材に合う。トマトのおでんや出汁で煮た芋がポテトサラダになっている、おでんのポテサラも人気の商品。でも、何と言ってもここのママに会いたくなるお客が多いだろう。おでんは作った人や地域が見えてくる不思議な鍋物。北見おでんっていう【おでん】いかがですかね。祐子のおでんは好評でした。(笑)


安達祐子

安達 祐子(あだち ゆうこ) プロフィール

タスクおふいす祐 代表。
北見出身、札幌在住フリーアナウンサー。STVラジオパーソナリティ。北海道フードマイスター。
北見観光大使、津別観光コンシェルジュ、 オホーツク観光大使として道東の情報発信 に奔走。UHBグルメリポーターとして取材した店は4,000軒以上。食と観光の講演も行う。好物はホルモン。

Ⓒ 月刊きゅん-(株)北方広放社 All Right Reserved.