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月刊きゅん最新号202410月号

月刊きゅん最新号

食こらむ 安達祐子の日々是好日~美味しいつぶやき

お漬物('19.12月号)

食こらむ安達祐子の日々是好日~美味しいつぶやき

この季節どこの家でもベランダに干した大根があったよね。平成生まれにはわからないかもしれないが、当たり前の光景が最近は珍しくなった。環境が変わり隣りへの配慮や、戸建からマンション化などで干す場所も無くなり、雨が降ったらしまったり、霜に当たらないようにしたり、意外と重労働でこの光景は姿を消しつつある。それなら少々高くても農家さんが干した完成形を使う人が出てきた。これがこの、札幌の中央市場で出ている大根を干した商品で、干した大根が市場に並ぶことに驚いていたら、農家も高齢化で今年はついに小樽の一軒しか入荷しなかったとのことを仲良しの八百屋さんが教えてくれた。時代の移り変わりが早い。そしてこの後は、本州から白大根を干したものが入りそれをまっている人がいるという。沢庵などの古漬けは流行らず、漬物といえば浅漬けが一般的になってきていて嗜好の変化もあるかもしれません。また冬の保存食を作らなくても、お店には、食べ物が並んでいる。

お漬物

北見の実家では今年は、大根40本ほど干したそうだ。きゅうりだキャベツだ、畑の野菜は漬物へと回っている。昔の人は無駄なく自給自足がサイクルになっている。この寒い時期から始めるのが、正月のご馳走鮭の飯寿司。鮭の高い年は断念したこともあったが、今年は雄武産の型のいいブランド鮭、雄宝が手に入ったので美味しい飯寿司になることでしょう。珍しいね〜と喜んでくれます。毎年改良をかさね毎年美味しくなっている。私は、もったいないことに、漬物をあまり食べないので、変わりに友達がせっせと実家に行き漬物を喜んでもらってくれているので漬物も本望。

そういえば、私が高校生の頃というと昭和の話ですが。今時期漬物工場のバイトの口があった。柏陽生指定で30名ほどのバイトは職場体験のようでもあり、バスに乗って工場へ行く行程も修学旅行のようでもあり、いまでも印象に残っている。カブを剝く係が椅子に座ったまま機械でできるので人気のポジション。これは3年生の早いもの順。大根を洗う重労働や他にも様々なセクションについて、短期の高収入のバイトで人気だった。

最近の話より昔の話が鮮明に蘇ることもあり(笑)、この寒くなって大根を干した光景を見ると、漬物工場でバイトした時の事を誰かに話をする(笑)漬物漬けますか?この手間がありがたいと感じる寒さとなりました。



安達祐子

安達 祐子(あだち ゆうこ) プロフィール

タスクおふいす祐 代表。
北見出身、札幌在住フリーアナウンサー。STVラジオパーソナリティ。北海道フードマイスター。
北見観光大使、津別観光コンシェルジュ、 オホーツク観光大使として道東の情報発信 に奔走。UHBグルメリポーターとして取材した店は4,000軒以上。食と観光の講演も行う。好物はホルモン。

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