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月刊きゅん最新号202410月号

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食こらむ 安達祐子の日々是好日~美味しいつぶやき

天下糖一・砂糖の話('19.10月号)

食こらむ安達祐子の日々是好日~美味しいつぶやき

最近こんな話を聞いた。お客様へのご挨拶に菓子折りをもっていったら、甘いものは一切食べないと断られる事が続き、差しさわりのない入浴剤に今後切り替えたという。またスーパーでは安売りの目玉を、砂糖にしても反応がないんですと。子供に一切お菓子を与えない家庭も増えているという。現代において砂糖は、悪であり、砂糖に甘くない時代だというのだ。甘いものイコール砂糖は、食べると太る、糖尿になる。砂糖の白いものは漂白していて危険。お米やうどん、砂糖など白いものを取ってはいけないという偏った健康志向。もちろん消費もおちてきている。

そもそも、砂糖とは何か。てん菜(ビート)やさとうきびから作られている糖分。国内砂糖の8割は、てん菜から作られ、それを作っているのは日本では北海道だけだ。根がカブに似ていてもホウレン草の仲間。根の部分に糖分を蓄えている。北海道ほぼ全域で輪作で作られているが、特に寒暖差が大きいオホーツクは生産が盛んであり、製糖工場もある。

先日砂糖を学ぶ機会があった。砂糖を必要以上に排除してはいないだろうか。たとえば、脳は全身のエネルギーの24%も消費する活発な器官であり、このエネルギーのもとはブドウ糖だけなのだ。

天下糖一・砂糖の話

頭を使った時、疲れた時、ちょっとした甘いもので、ほっとした覚えがあるのではないでしょうか。脳の老化防止にも脳の栄養として不可欠であるという。糖分は太らないワケではなく、例えば肥満や虫歯の原因はほかにもあるということ。糖尿においては食べ過ぎでなる病ではなく、遺伝や生活習慣病であるということ。近年は全て砂糖のせいにしてはいないだろうか。そこで、このたび3年かけて、正しい知識を伝えていこうというのが、JAグループ北海道が立ち上げた【天下糖一】プロジェクトなのである。

食品に使う事は、まず保存性、ジャムなど腐敗を防ぎ、料理ではふっくらと仕上げる保水性が大事な役割である。砂糖の茶色はカラメルで、砂糖の結晶は雪のように光りの反射で白く見えると知ると納得だ。天下糖一プロジェクトは、砂糖に甘くない時代だから新時代に正しく甘い世の中をと、砂糖の正しいを訴えている。砂糖の消費が減って、人工甘味料が増えている。それも地球上に存在しない甘味料のほうが私は恐ろしい。オホーツクの貴重な畑作であるてん菜(ビート)が、誤解されませんように願う。

HPにはウィットに富んでいてとてもわかりやすい動画も入っているので一度覗いて欲しい。生活の中になにも過ぎるのはよくない、そして砂糖の役割についてしっかりと学ぶ秋になった。



安達祐子

安達 祐子(あだち ゆうこ) プロフィール

タスクおふいす祐 代表。
北見出身、札幌在住フリーアナウンサー。STVラジオパーソナリティ。北海道フードマイスター。
北見観光大使、津別観光コンシェルジュ、 オホーツク観光大使として道東の情報発信 に奔走。UHBグルメリポーターとして取材した店は4,000軒以上。食と観光の講演も行う。好物はホルモン。

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