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月刊きゅん最新号202410月号

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食こらむ 安達祐子の日々是好日~美味しいつぶやき

北見厳寒の焼き肉まつり('20.3月号)

食こらむ安達祐子の日々是好日~美味しいつぶやき

北見といえば寒い町だ。私が子供の頃は冬は氷点下25℃くらいにはよくなった。マフラーをすれば、吐く息でまつげが凍り、足がしもやけになっていた。寝ていれば寒くて目が覚めるなんてこともあった。よく30分も毎朝歩いて学校へ行ったものだと感心する。

そんな厄介な寒さも北見の特徴ではないか、焼き肉も美味しい、この二つを自慢したらどうだという、転勤族の提案から、2000年のうるう年である2月29日(ニクの日)に「北見厳寒の焼き肉まつり」が始まった。2020年の21回目は、チケットが2,100枚瞬く間に完売。当日の会場は妙な熱気で包まれる。氷点下22℃予報から開催時間は少し落ち着き氷点下10℃前後。雪上にできた特設会場は、確かに寒く七輪で暖はとれない、焼き肉のタレは凍り、吐く息と煙が混じり合った風景はあの世のようだ。熱烈なこのまつりのファンの友達の要望で、3回目の参加をした。友達が友達を誘い15名の大所帯。東京や札幌からのゲストは北見が初めての方もいる。地元の友達が、板の上に座ると冷えるからと、発泡スチロールの座布団をこしらえてくれた。これぞ温かいおもてなしであった。寒い時になんで外で焼き肉?美味しいのか?と聞かれることもあるが、非日常の会場の一体感は是非味わってほしい。デンジャラス体験は、盛り上がるハードルは低い(笑)

北見厳寒の焼き肉まつり

旧友知人にも沢山会えるし、ボランティアで町を盛り上げようと熱い思いが会場を包んでくれ、北見思いの終結したまつりである。運営の皆様の寒さは半端ないだろう。まつりのあとは、焼き肉のお店で落ち着いて焼き肉。えっ?今焼き肉たべましたよね?と3回聞き返されたが、焼き肉の梯子は北見ではよくある。その日は板門店からたなか家、へっぽこと人気店の梯子。スタートは北見駅集合で、カーリングポストで記念写真を撮り、会場そばにある銘菓ハッカ樹氷の会社訪問。観光大使の北見の歴史話と山樹氷のハッカのお話しとお土産付きという豪華さ。

板門店では、私の誕生日を地元の友達が、準備をし会を盛り上げてくれた。至るところに、友達のもてなし満載で、ゲストは、口々に北見の人は暖かい大好き、来年も来るよといってくれた。発信した投稿で、楽しそう、今度は参加してみたいといった感想が相次いだ。

このまつりは気軽に行けない。重装備が必要だ。寒いけどとても暖かい一日だ。当時単身赴任で、このまつりを作った有志の方に札幌で会う機会があった。思いつかないまつりをありがとうございます。愉しいですとお礼をいった。



安達祐子

安達 祐子(あだち ゆうこ) プロフィール

タスクおふいす祐 代表。
北見出身、札幌在住フリーアナウンサー。STVラジオパーソナリティ。北海道フードマイスター。
北見観光大使、津別観光コンシェルジュ、 オホーツク観光大使として道東の情報発信 に奔走。UHBグルメリポーターとして取材した店は4,000軒以上。食と観光の講演も行う。好物はホルモン。

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