月刊きゅん|暮らしにきゅん生活情報誌

月刊きゅん最新号202012月号

月刊きゅん最新号

食こらむ 安達祐子の日々是好日~美味しいつぶやき

蓮は泥より出でて泥に染まらず('20.9月号)

食こらむ安達祐子の日々是好日~美味しいつぶやき

今年は一段と蓮の花が綺麗だった。コロナ禍でよけいに花姿が染み入りました。日本最北の蓮池、北見の鏡池にはお盆前後をピークに沢山の方が訪れた。毎年蓮の咲く頃が待ち遠しい、北見の観光名所になっている。
 農業を営む市田さんが旅先で見た蓮を、自費自力で再現したという話は有名だ。花見舞台からよく自慢の蓮池を眺める姿を最近お見掛けしていないのは少し寂しい。札幌のお寺では蓮華の写真展が行われ、全国各地の蓮の姿を見ることができる。今年は北海道の蓮の特集だったので、北見の蓮の花姿を見ることができた。お寺の境内にも、北見からきたという蓮が咲き、北見からきたかわい子ちゃんに逢いにいくのも楽しみとなった。
 蓮は鑑賞用だけでなく、もちろん食用蓮根である。先を見通し縁起がよいとされおせち料理や、すり下ろしすり流しなどもとても美味しい。からし蓮根という名物もある蓮根の挟み揚げもいい。
 さて、中国の田舎暮らしを日々配信して全世界に何千万人ものフロアーがいる、リー・ズーチーの動画に魅せられたのも、蓮の動画だった。

蓮は泥より出でて泥に染まらず('20.9月号)

とても広大な蓮池は鑑賞用ではない。彼女は素手で手際よく、蓮根をとり、長い葉や花をもって家に帰ると、まず花を飾る。すりおろし、吊り下げた布でこす。肉を蓮の葉で包み泥で外堀を埋めて釜で焼く、また蓮の葉でくるんで蒸す。空心菜などと炒めたり、飾った花びらもくるんで最後は食材として食べている。蓮のつぼみの中に茶葉を入れ、香りをうつしお茶にもする。すべて手作業の一連の流れがとても美しく、心が洗われ、こういう生活をしたいなと思う気持ちは大切にしたい。
 北見の蓮は食用種ではないが、食べることもできるという、蓮祭りで楽しむこともあるとのこと。蓮は泥沼で成長するのに、花に泥がつかない、清らかさの象徴である。仏教では智慧や慈悲の象徴。如来像の台座は蓮華座、ヨガで最初に佇まいを直して座るポーズを蓮華座という。蓮華座の時には、いつも凛とした様子を思い浮かべると1センチ背筋が伸びる。
 蓮生活は無理でも、眺めて満足し、美味しい蓮根饅頭を食すことで幸せな気持ちになる。花を愛でたあとは是非、蓮根料理に舌鼓を。蓮は見てよし食べてよしなのだ。




安達祐子

安達 祐子(あだち ゆうこ) プロフィール

タスクおふいす祐 代表。
北見出身、札幌在住フリーアナウンサー。STVラジオパーソナリティ。北海道フードマイスター。
北見観光大使、津別観光コンシェルジュ、 オホーツク観光大使として道東の情報発信 に奔走。UHBグルメリポーターとして取材した店は4,000軒以上。食と観光の講演も行う。好物はホルモン。

Ⓒ 月刊きゅん-(株)北方広放社 All Right Reserved.